大事に飼育している熱帯魚もある日突然病気にかかることもありますよね。
病気になる原因はさまざまで、水質や餌、ストレスなどが挙げられます。
しかし白点病の原因はウオノカイセンチュウ(白点虫)という繊毛虫が原因で発症する病気と言われています。
主に、生体や水草を導入した際などの外部から水槽へ持ち込まれることが多く、すでに寄生された熱帯魚を水槽に放つことで他の熱帯魚にも寄生をすることで発症します。
この記事では白点病の治し方や対処法を詳しく説明していきます。
白点病の症状とは
白点病の症状のわかりやすい目印として熱帯魚の表面に「白い点」が現れることです。
最初は少しの白い点が確認出来ますが、次第に白い点の数が増えていき明らかに白いぷつぷつに覆われていることが分かるようになります。
熱帯魚が白点病にかかった場合の行動としては、痒がるように底砂や水槽の壁に体をこすりつけるような仕草をします。
基本的に初期段階では餌も通常通り食べますし、水槽内を泳ぐことも出来ますのでよく観察しないと見過ごすことがあります。
重症化すると、白い点が体の表面をびっしり覆うようになり、エラまで到達すると呼吸困難になり最悪の場合死んでしまうことになります。
早期改善や重症化しても治る見込みがある病気ですので諦めず治療を始めましょう。
白点病を発見した際の初動は?
水槽内に白点病に感染した熱帯魚を発見したときにするべきことは、水槽内に白点病を発症している個体がどれだけいるのか確認しましょう。
感染している個体が単独かつ白点が少量の場合は、隔離を行い治療を進めます。隔離の仕方は、隔離ボックスやバケツや別水槽を使うことになりますので使用していないヒーターを使い温度管理やエアレーションして酸素供給をしながら治療を進めます。
また感染している個体が複数いる場合は、水槽自体の治療を進めなければウオノカイセンチュウ(白点虫)が多く水の中に存在している状態のため、個別治療を進めたとしても再度発症してし舞います。
まずは、白点病に感染している個体を良く観察し、適切な初動を取りましょう。
白点病の治療方法や対処方法とは?
治療方法①水温を上げる
ウオノカイセンチュウの特徴として、低水温に強く高水温に弱いという特徴を持っています。
熱帯魚の水温としてやや高めですが、28度~30度を目安に水温設定をしましょう。
水温が上がると熱帯魚に寄生しているウオノカイセンチュウを引き離すことが可能になります。
注意点として、実際に白点病が完治しているわけではなく、ウオノカイセンチュウは水中でも生存をしている状態になり、水温を下げると増殖したウオノカイセンチュウが再度熱帯魚に寄生する繰り返しになります。
また、水温を一気に上昇させるのは熱帯魚にとって負担になるため、1日1度程度をあげること目安に段階を踏んで水温を上げましょう。
治療法②塩浴・薬浴を行う
ウオノカイセンチュウは塩水浴水槽では活動が鈍くなるため、塩浴はウオノカイセンチュウの活動・増殖を抑える効果があります。
塩水浴を行うには、水槽の水量に対して0.5%濃度の塩水が適当です。
塩水浴の計算を行うならこちらのサイトを確認してみてください。
例えば、10Lの水量の水槽であれば、0.5%の塩分濃度に使う塩は50gです。
塩分濃度が薄い場合は効果が薄くなり、逆に濃ゆい場合は熱帯魚の負担が大きく逆効果です。
また、なるべくですが塩水浴を行うには魚の負担にもなりますので徐々に塩分濃度を上げてあげる方が好ましいです。
塩水浴に使用する塩は観賞魚用の塩を使用する必要はありません。家庭にある無調整の粗塩があれば十分です。
万が一、心配な場合は観賞魚用の塩も販売されていますので調べてみましょう。
塩水浴を行う期間については、3日程度を目安に行い徐々に淡水に戻すようにすれば熱帯魚の負担軽減にもなります。
また、水槽全体で塩水浴を行う場合は、ろ過バクテリアにダメージがあるため、現在使用しているフィルターについては稼働を控えることをお勧めします。
出来れば投げ込み式や外掛け式の別フィルターを使用しておくと、現在使用しているろ過バクテリアも復帰したときも安心して稼働できます。
塩水浴中のエアレーションは必ず行うようにしましょう。塩水浴中の水槽は、真水よりも酸素濃度が低くなり呼吸困難による体力消耗に繋がり最悪の場合は治療が逆効果になります。
塩水浴での白点病の完治は難しいため、塩水浴で熱帯魚に寄生したウオノカイセンチュウを離れさせ、水槽内に魚病薬を入れて薬浴を同時に行うと非常に効果的です。完治を目指すには薬浴を行いましょう。
白点病に効果がある魚病薬は以下の薬です。
多くは、ネット通販などでも手に入れることは出来ますし、ホームセンターやペットショップにも置いてあります。種類を見たいのであればネット通販がお勧めですが、早く使用したいなど急いでいる場合はショップへ購入しに行くと良いでしょう。
薬浴中はろ過フィルターの使用を停止して、水替えのタイミングで投薬すると効果的です。
薬剤がろ過されてしまうことを防ぎ、水替えを行うと正しい用法容量で使用することが出来ます。
また、投薬量ですがパッケージに記載してある量を必ず守るようにし、投薬期間も同様に記載してある期間のみ行いましょう。多く投薬・期間を長くしても効果は得られず逆効果になる可能性があります。
投薬中は酸欠になりやすいためエアレーションは必ず行い、ろ過フィルターが稼働していない分水質の悪化が進みますので1~2日1度は水替えを行うことをお勧めします。水替えのタイミングで再度投薬を行い治療を継続しましょう。
治療法③殺菌灯を使用する
海水魚にも白点病は存在しますが、原因としてウオノカイセンチュウとは別の寄生虫クリプトカリオン・イリタンスが原因になります。
殺菌灯を使用するメリットとして、寄生虫の殺虫、苔の抑制、有機物(餌の食べ残し・排泄物など)の分解に効果があります。また、紫外線の効果により、水槽内の病気の伝染を抑制・予防する効果も期待できます。
もちろん淡水魚にも使えますが、導入コストが高く、主に海水魚水槽での使用を目的として検討してみましょう。
熱帯魚がかかりやすい白点病の治し方や対処法まとめ
白点病の原因はウオノカイセンチュウという寄生虫です。水草や生体を外部から導入する際に水槽内に入ってしまうことがあります。
白点病の治し方や対処法として、水温を28度~30度に上げることや塩浴と薬浴を行い原因の素となるウオノカイセンチュウを殺虫しましょう。
海水魚水槽の場合は殺菌灯の導入を検討するなど対策が必要です。
※白点病の治療で鷹の爪を入れるという治療法もありますが、治療根拠がまだまだあいまいで効果が保証されているものではありません。参考に対応してみるのも良いですが、まずはしっかりとした効果が期待できる治療法を実施することが重要です。
コメント