実は、アクアリウムにも水槽内での縄張りなどが存在しており、綺麗な魚たちのコミュニティにも小さいものや大きなものまで問題が発生することがあります。
例えば、水槽内に「ボス」的な存在となる個体が発生してしまい弱い個体をいじめてしまう場合や数的に多い種類のグループが少数のグループをいじめてしまう場合など【水槽内のいじめ】が発生してしまうことも少なくありません。
そんなアクアリウムをのんびり眺めていると実は取り返しのつかない状態になってしまうこともありますので、双方が水槽内で円満に飼育できるよう対策を行いましょう。
なぜ水槽内でいじめが発生するのか?
縄張り意識が強い・弱い熱帯魚や飼育魚は数多くいますが、どの熱帯魚や飼育魚にも縄張り意識は存在します。
自然界ではごく当たり前のことで、自身の縄張りに入ってきた魚を、攻撃して近づけさせないことは当たり前なのです。また、雄・雌ともに縄張り意識は存在し、繁殖活動に伴う強さの誇示など水槽内でも同じことが理由で発生します。
中でも、同じ種類の熱帯魚や飼育魚でも個体の大きさが違うと全てとは言えませんが、ボスが発生してしまうこともあり、餌を独占しようと同種や他種の魚を攻撃することもあります。
これは、グループの大きさや水槽内に導入された時期などの条件が発生し、水槽設置から飼育されている熱帯魚や飼育魚が新しく入ってきた魚に対して縄張り意識が働く場合や数的に多いグループのボスが少ないグループを積極的に追い回したりしてしまうことがあるため、すでに作られた水槽に個体を導入するときは注意が必要なのです。
水槽内で発生しているいじめと断定するには?
本来熱帯魚や飼育魚は自然界でも水槽でも生活する生活域が存在します。
例えば、コリドラスなら水底、カラシンなら中水域、グッピーなら水面などですが、いじめが発生した場合のわかりやすいサインはいじめられている魚が追いかけられてビクビクしたように普段は生息しない生息域の端っこに口をパクパクさせながら逃げていることです。
また、体の一部に病気以外の噛みつかれたような欠損がある場合や明らかに動きが鈍く弱っているなども判断基準の一つでしょう。
水槽を良く眺めていると追いかけたり追いかけられたり頻繁にしている場合は、いじめが発生している可能性があります。手遅れにならないように水槽導入時はよく観察するようにしましょう。
水槽内のいじめが発生した場合の対処方法とは?
水槽内のいじめが発生した場合は段階を踏み正しく対処することが必要です。具体的にどのような対応方法が可能か一緒に確認していきましょう。
餌の与え方を工夫する(餌の頻度を増やす)
水槽内のボスのいじめ行動の原因として餌の不足が考えられます。餌が不足していると餌を与えるたびに餌を食べられるだけ食べようとして他の熱帯魚や飼育魚を攻撃したり威嚇したりして独り占めしようとするため、餌の頻度を増やしたり・量を増やしたり、与える場所を分けるなど工夫をしてみましょう。
ちなみに私は水面になるべく散らすように餌を投入するようにしてボスがなるべく固定させるようにして他の魚が食べられるようにしています。また本来1日1回の給餌ですが、混泳させている水槽には1日2回の餌を与えています。
なるべく、全体に餌がいきわたるようにすれば、成長する個体差の幅が少なくなり今以上のいじめが発生しないようにすることができます。
餌をしっかり与えることでボスの攻撃性を緩和し、小さく弱い個体でも飼育ができるように工夫をしましょう。
隠れ場所を増やす
すぐにできる対策として、弱い・小さい熱帯魚や飼育魚の隠れ場所を増やすということです。
水草や岩や流木などをレイアウトして追いかけてくる魚から逃げられる場所を増やしているとすぐに逃げ込むことが出来個体のストレスや追いかけられてケガが発生させないようにすることが出来ます。
水槽レイアウトを変更してみる
我が家の海水魚水槽もそうですが、すでに飼育している海水魚水槽に新たに導入したルリスズメダイを入れた際に水槽内で縄張り意識が強い個体からいじめを受けてしまいました。
縄張り意識がある場合は、すでにレイアウトした水槽の配置を変えてみてリセットすると、いじめが継続しない場合もあります。できるだけ水槽内での棲み分けが出来るように配置してあげると効果的です。水槽の両サイドに隠れ家があるような配置にしてあげたり、水草を追加してあげるなどするとより効果が出ると思います。
水槽に仕切りを入れてみる
水槽内に仕切りを入れることで物理的に接触を遮断する方法です。
水槽にあった仕切りを調達し設置するため手間がかかりますが、接触がなくなり水槽内のいじめもなくなります。
ただし、水の流れなどを気にしていないと水の淀みが発生し、一部の場所で水質悪化が発生する可能性があります。設置した場合はこまめに水替えをしてあげる方が効果的です。
水槽を広くしてみる
こちらもお金と労力がかかってしまいますが、そもそもの水槽の大きさが小さく縄張りの棲み分けが出来ていないことが、いじめの原因となっている可能性があります。
水槽のレイアウトを変更してみることと同じことですが、水槽での棲み分けが出来ることが重要ですので、対策を実施して手詰まりになってきた際は、ワンサイズ上の水槽を用意してみるのもいいでしょう。
ボスを隔離飼育する
いじめを行っている個体を別の水槽や産卵用の隔離ボックスなどで別に飼育するのも一つの手です。
水槽内のいじめがほぼ無くなります。さらに、餌の頻度を元の水槽と隔離水槽で分けてあげることで元の水槽の個体の大きさといじめを行っている個体の体格差の調整が出来るようになります。
また、いじめが発生する原因として、もともと飼育していた飼育歴も関係があると考えますので、ボスを隔離すると水槽内の飼育歴もリセットされるため手間はかかりますが、かなり効果的な方法です。
混泳飼育になるとグループの多さ・少なさでいじめが発生する場合もありますので、同種の単独飼育に切り替えるか飼育している数を分けるなどの対策も効果的です。
こんな時は要注意!早急な対策を!
水槽内のいじめにも軽度な物で時間が解決してくれることもあります。しかし、水槽を観察していじめられている個体が次のような行動をしていたら要注意!すぐに対策をしましょう。
- 水槽の上部隅に追いやられ口をパクパク小刻みにしている
- 体の一部が欠損(鱗やヒレなど)している
- 水槽の底で動かなくなる
以上のようなことが頻繁に発生している場合は、魚が助けを求めているSOSになります。人間同様に魚もストレスを抱えて棲んでいますので飼育を決意した以上は、魚を快適に飼育できるように対策をするようにしましょう。
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