海水魚の飼育に挑戦したいという初心者におすすめなのが、カクレクマノミです。
映画「ファインディング・ニモ」の主人公として描かれており、カラフルで美しい見た目と、比較的簡単な飼育方法から、人気の高い海水魚の一つとなっています。
カクレクマノミの飼育方法と注意点について詳しく解説します。
I.カクレノクマミの飼育に必要なもの
一般的な熱帯魚などの淡水魚と同じく、水槽・ろ過装置・ヒーター・照明・餌は一通り必要です。
その他に、海水魚ならではの必要なものが、「人工海水の素」・「比重計」・「ライブロック・底砂(出来れば)」です。
水槽に必要な一式については「水槽セット」が便利という記事を書いてますのでこちらを参考にしてください。
海水については、一般的に販売されている人工海水の素をカルキ抜きをした水に溶かしてから水槽に投入します。
人工海水の素を使って飼育水を作るわけですが、水と塩の比重を飼育環境に合わせた配分で作らなくてはいけません。
おおよそは人工海水の素のパッケージに合わせた配分で作ればよいのですが、必ず「比重計」を用いて作った海水の比重が適正か確認しましょう。
平らな場所に置き、作った海水を中に入れて並行にすると中の針が比重に合わせて動きます。
水温23℃から25℃くらいで1.020~1.023を目安に作ってみましょう。
ライブロックとは、サンゴや微生物、海藻、海綿などが付着した天然のサンゴ礁の岩石を指します。
ライブロックは、海水魚の飼育において非常に重要な役割を担っています。水槽内の浄化してくれる機能もあり「あると良い」です。なくても飼育は可能です。
底砂については目が粗いものから細かいものまで幅広く存在します。
一般的にはサンゴ砂を使用することが多いですが、底砂を入れなくても飼育は可能です。
アクアリウムショップでも底砂を入れずに飼育をしていますので必須ではないものの、底砂を入れることでバクテリアの住処になり水槽内の浄化に繋がりますのであると良いです。
目が細かいものは景観が良い一方で、汚れがたまりやすく、まめな清掃が必要です。目が粗いものは魚に接触したりするとケガなどのリスクがあります。あまり敷きすぎないことがポイントです。
餌については、淡水魚とは別に海水魚用のフードが多く販売されていますので海水魚用のフードを用意しましょう。
カクレクマノミの大きさは約3センチくらいですが口が大きくありませんので大きさに見合ったフードを用意すると食いつきが良いと思います。
粒上のタイプとフレークタイプのフードを我が家では用意して飽きが来ないように分けて与えてます。
ろ過装置は出来れば強力な物を用意した方が良いので「外部フィルター」がお勧めです。
外部フィルターはオーバーフロー水槽水槽を除き、後付け設置するフィルターの中では非常に強力です。
また、ライブロックはピンからキリまで販売されていますが、ライブロックの形や質や大きさによってコストが高くなることもあります。
ライブロックについては一度アクアリウムショップや海水魚を扱うホームセンターなどに見に行ってからイメージすると良いです。
外部フィルターを何故お勧めするのかは次で説明していきます。
注意点
注意点として、海水魚は特に水質悪化に注意しなければいけません。
理由としては本来生息している海は広大な面積を誇っていて生態系が存在し、その中で海水魚も生活しているため水質の悪化という現象に対して耐性がありません。
そのため、絶対条件としてバクテリアの繁殖と強力なろ過装置や適度な水替えが必要になってきます。
海水魚を飼育する際、多くのサイトやブログで「オーバーフロー水槽」での飼育について触れていますが、この理由は水位が保てることで景観を維持できることや強力なろ過装置としての利点など導入メリットが多い点です。
逆にデメリットも多く飼育環境が用意できるか?など条件付きと感じます。
実際、オーバーフロー水槽は大型の物から小型のものまでありますが、導入コストが高い点から初心者の入りとしては通常の水槽で十分と感じます。
慣れてきたときにしっかり導入計画を行い準備をしてから水槽を移設するなどで十分です。
Ⅱ. カクレクマノミの飼育方法
水槽の準備
まずは水槽を準備し、底砂やライブロックやろ過装置飼育道具など設置を行い、人工海水の素で作った海水を水槽内に入れます。
海水水槽を立ち上げる場合の準備期間としては淡水魚よりもかなり長めの3週間が必要です。
くれぐれもアクアリウムショップからその日にカクレクマノミを購入してすぐに飼育できるわけではありませんので注意が必要です。心配であればアクアリウムショップの店員さんに必要な期間と準備確認してみると良いでしょう。
外部フィルターなどのろ過装置を動かしながら3週間水槽を見守ります。サイトによっては日数ごとにアンモニア・亜硝酸・硝酸の濃度を計測して水質の変化を確認していますが、そこまで難しくてできないよと言う方は以下の方法を試してください。
私はこのやり方で導入した海水魚が死んでしまったことは有りません。
1.すべての道具を設置しろ過装置なども回転させる。(ライブロックはキュアリングしてあるものがお勧めです。購入時にキュアリング済と書いてあるものが良い。)さらにバクテリア液の添加。
2.1週間程度水槽をふたを開けて放置して半分の量を水替え。さらにバクテリア液の添加。
5.さらに2週間後、ペーパーの計測シートでアンモニア・亜硝酸・硝酸の状態を確認。問題なければ導入。
ライブロックを入れてから微生物の死骸などでのアンモニアの増加が始まりますのでバクテリア液や底砂にそもそもついているバクテリアなどを活かして動かしながら立ち上げをする方法です。
アンモニアを定着してきたバクテリアが亜硝酸に分解、さらに亜硝酸菌が亜硝酸を硝酸に分解するため硝酸を水替えして除去する必要があります。
↑アンモニアの測定が出来ないため、亜硝酸と硝酸が検出されれば水槽の濾過機能が正常に機能しているということです。
ヒーターやろ過装置・エアレーションを行うことでバクテリアの増殖を手助けしますので最初から回転させる方が効率がいいです。
心配な方はデバスズメダイなどのパイロットフィッシュを初期導入して様子をみるのも一つの手ですが、役目を果たしたパイロットフィッシュも飼育することになるため注意が必要です。
カクレクマノミの飼育環境の維持
水槽の立ち上げ後は1週間に一度3分の1の量を水替えして水質の維持をしていきましょう。
多く水替えをしてしまうとバクテリアのダメージが心配されますので多く水替えする必要はありません。
底砂などの掃除用の生体としてヤドカリやエビや貝などのお掃除生体を一部導入することもおすすめです。
カクレクマノミの餌の与え方と種類
1日に2回程度、すぐに食べきる量を与えるようにしましょう。量に関しては飼育する数によって変わりますが数分で食べきる量が適正です。
餌を与えすぎてしまうと水質悪化に繋がりカクレクマノミへのダメージも大きくなりますので注意しましょう。
Ⅲカクレクマノミの注意点
カクレクマノミのかかりやすい病気
カクレクマノミの発症しやすい病気は「白点病」と「トリコディナ」です。
主に両方とも寄生虫による病気の発症に注意をしなければいけません。まずできることは水質の悪化に注意して、こまめな水替えと温度管理などが大事です。
カクレクマノミと他の魚との相性
映画の印象からカクレクマノミは温厚そうなイメージを持たれがちですが、実は縄張り意識が高く気性がやや粗いです。
混泳をさせたい場合は、カクレクマノミより少ない数だと攻撃されやすいため、ライブロックなどでの隠れ家を複数用意し、それぞれの縄張りを用意してあげることが必要です。
また、カクレクマノミと言えばイソギンチャクとの共生をしているイメージですが、実は共生に向いているイソギンチャクは実は多くありません。ハタゴイソギンチャクやセンジュイソギンチャクなど向いているイソギンチャクの導入をお勧めします。
カクレクマノミの水温管理
24℃から30℃までの水温であれば飼育が出来ます。特に冬場はヒーターが無いと飼育は難しいでしょう。全体的なエアコンでの温度管理をするかヒーターでの温度管理が必要です。
夏場も温度が上がりすぎないように水槽用の冷却道具や室温調整が必要です。
Ⅳ.まとめ
- カクレクマノミは海水での飼育が必要なため、専用の道具を揃える。
- 水質維持のためろ過装置は強力なものが好ましい。
- 24℃から30℃の水温管理と水質維持を徹底し病気にかからないようにする。
- 水槽の立ち上げは3週間程度必要。購入してすぐの飼育は出来ない。
- 縄張り意識が高く混泳には注意が必要。
必ず注意点を守れば飼育の敷居は低いため、飼育のポイントを押さえて、楽しい海水魚ライフを満喫しましょう。
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